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遠距離通勤と引越しの与える影響

2011.11.18

都心の環境悪化、高地価・高家賃は、人々を郊外へと追いやり、満員電車による遠距離・長時間通勤を、現代の都市的生活様式としている。その結果、勤労者には肉体的・精神的疲労、経済的負担をもたらし、時間のロスを生じるなど、毎日の生活にさまざまの悪影響を与えている。労働科学研究所によると、通勤によって消費するカロリーは、ラッシュにもまれて往復二時間の場合、四〇九カロリー、それほど混んでいないときで二三七カロリーである。

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ふつうのサラリーマンが部屋の内で机に向かってする仕事では、一日に七四〇カロリー消耗する。これと比較すると、長時間通勤は半日以上の仕事と同じ消耗をしていることになる。その上、電車の乗り換え、階段の昇り降り、バスやタクシー乗り場までの駆け足などの「重労働」ののちに職場に到着し、また家に帰りつくのであるから、仕事や生活への影響はけっして少なくない。遠距離通勤者は娯楽・教養などはもとより、交際の時間も自由にならず、都会に住んでいても知っているのは家と職場の経路だけという状況が生まれる。しかも時間の不自由さは、家の外だけでなく、家庭内においても家族との団欒や家事、新聞雑誌を読む時間を切りつめなければならないという形であらわれる。はては、食事、入浴、身の回りの整理など、生活に最低必要とされる時間まで犠牲にされる。毎日の生活は時間との競争になってしまう。残業時間を含めて、一〇時間勤務となった場合、往復三〇分以上の通勤で、すでに生理的再生産時間の一部が犠牲とされ、往復二時間半を越えると、睡眠時間まで短縮されると見られる。片道一時間を越える通勤は問題が多く、四五分以内にとどまることが望ましいと書いている。長時間通勤は他にもさまざまの弊害をもたらす。たとえば労働時間の短縮は労働運動の大きな目標となっているが、仮に労働時間が短縮されたとしても、通勤時間の延長は実質的拘束時間の延長となって、時間短縮を相殺してしまう。また、父親の遠距離通勤で子どもと顔をあわせる時間がなく、一家団欒のないことが非行少年をふやしている原因だという指摘もある(警察庁の話)。