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社寺建築の被災状況

2011.10.14

人類は、火災で多くの尊い人命や、歴史的建造物を焼失してきた。金閣寺や京都大原の寺院も放火や火災により焼失してしまった。社寺建築の最大の敵は、火災であるともいえる。そこで、木造建造物における天災・人災による被害状況を、歴史的文献から調べてみた。さまざまな文献のなかから、やっと見つけたのが大正十三年五月に丸善から発行された『日本建築語彙』という辞書だ。この辞書の末尾に日本の有名社寺建築の被害事例が年代にそって整理してある。紀元前六六〇年の鹿嶋神宮創建(神話もかなりふくまれるが……)から大正時代までの社寺における建造、被災、修繕などおよそ一千項目を記載した貴重な歴史資料である。ここから信憑性のある被災項目二百九十八件と、大正時代以降に起きた被災の中では、やはり、最大の敵は火災であった。とにかく、木造建築は火災に弱い。基本的に木造を千年もたせることは無理といっていいだろう。したがって、木造住宅を千年建築にするには、防火対策が最も重要となる。千年住宅をつくるには、燃えにくい建築ではなく、燃えない建物でなくては使い物にならない。

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