少女を誘拐する5年ほど前、S被告の自宅には増築が施されています。この増築で1階部分にはガレージとトレーニングルーム、2階には洋室とダイニング、そしてキッチンが新たに設けられました。後で大きな問題になるガレージ横の階段も、このときにつくられました。2階にキッチンを設けたのは、2世帯住宅を想定してのことだったのでしょう。計画では、母屋に別棟を合体させるに事だったのですが、S被告が2階に作業員を入れさせなかったため、もともとあった2階の和室と新しい洋室の室内はつなぐことができませんでした。
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しかし、間取りの問題は増築以前からあったと思われます。S被告は、中学生のころから2階の和室を自室として使いはじめ、部屋にこもるようになっていきます。2階には東西方向に部屋が2つ並んでいるのですが、西側の部屋には仏間であったため、S被告は東側の部屋を自室として使っていたようです。ただ、平面図からもおわかりのように、西側の部屋に行くためには、S被告の部屋を通らなければなりません。こうした通り道になりやすい部屋は、プライベートな空間とはいえず、自分の領域を守ろうとする子供にとってはストレスになります。